
【研究発表3】
和歌山県中学校総合体育大会のこれから
魚谷欣司先生
運動部活動は、スポーツをしたいという生徒の自発的な欲求を満たす場であり、学校教育活動の一環として、心身ともにたくましい生徒を育成するとともに個性を伸長し、望ましい人間関係を育てるうえで大きな役割を果たしています。また、生涯を通してスポーツに親しみ健康で明るい生活を営む能力と態度を育てるうえでも重要な活動であります。
現在運動部活動はさまざまな課題を内包しています。しかし、多くの生徒が運動部活動に大きな期待を寄せている現実をふまえてその課題を解決し意義のある活動にする努力が大切であります。
和歌山県中学校体育連盟では、その課題のいくつかが解決できるように、平成8年度より和歌山県中学校総合体育大会の開催方法をブロック持ち回り方式に変更しました。その変更の背景や経過、課題を整理し競技会の運営を通し今後の運動部活動の位置づけや指導のあり方等を考えるきっかけとしたいと思います。
I 和歌山県中体連の沿革と現状
昭和23年度に中体連が設立されまして、組織の充実していない時期には県大会が混乱したり、近畿大会が不参加というような経過を経まして、昭和39年度に県総体が一本化された大会として、初めて開催されました。
その後、いろいろな課題を抱えながら開催した後、平成8年度に県総体の4ブロック持ち回り方式で開催するように変更致しました。
次に、中体連の組織ということで規約の抜粋をしてみました。
第3条 本連盟は県下中学校生徒の体育を振興して体位・体力委の向上を図りスポーツ精神を養い、健全な心身の発達に寄与することを目的としている。
第4条 本連盟は前条の目的を達成するために下記の事業を行う。
1. 体育の指導・奨励ならびに調査研究
2. 各種運動競技会の開催ならびに運営
3. 体育講習会・研究会の開催
4. 各種競技団体との連絡連携
5. その他、本連盟の目的達成に必要な事業
本連盟は8地方の中体連をもって組織しております。理事は各地方の中体連代表1名、研究部代表1名および県教育委員会保健体育課1名で構成しています。
次に、最近10年間の生徒数の推移と、各地方の分担金推移を見ますと、昭和62年度には48,156人おりました生徒が、平成8年度には38,638人、約9,500入が10年間で減少しています。
逆に分担金の方は、県が補足するということで増えておりまして、10年間で約70万円増加ということになります。非常に苦しい訳ですけれども、各地方の中体連の理事長、会長にお願いしまして分担金を上げていただくと教育委員会も押していただいて行っています。
次に、公立校で50名以下の学校の数が38校あります。100名以下の学校を含めますと約2倍の80校近くあり、全体として143校になり、そういうことで過疎の中学校もたくさんあります。
? 学校の運動部活動における意義・位置づけ・加入状況について
次に部活動をクラブ活動に代替えして行っている学校が64%あります。先程言いました過疎の学校で、たくさんの部活動の選手がむずかしいという現状にあります。例えば、83
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